Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
殺生者――といっても白骨の温泉へ出発した机竜之助が立戻ったわけではなく、極めて平凡なその道の商売人である猟師の勘八が、抜からぬ面で立戻り、ひょっこりとこの場へ現われたものであります。
「弁信さん、お前、そこで、あにゅう、かんげえてるだあ」
猟師の勘八は、いま山からもどったばかりのなりで、鉄砲をかつぎながら言葉をかけたものですから、
「あ、勘八さんでしたか」
「今、けえりましたよ」
「そうでしたか、猟はたくさんございましたか」
「大物を追い出すには追い出したでがすが、また追い込んでしまったから、これから出直しをしようと思ってけえって来たところでがすよ」
「あ、左様でございましたか。そうしてその大物というのは何でございます」
「熊だよ」
「え、熊がこの辺にもおりますか」
「いますとも」
「お怪我をなさらないようになさいまし」
「有難う。それから弁信さん」
「はい」
「お前さんは、お銀様という人を知っているだろうね」
「お銀様――ああ、知っておりますよ、それがどうしましたか」
「その方を、わしが連れて来ましたよ」
「お銀様を連れておいでになった……勘八さん、お前こそ、どうしてお銀様を知っているのですか」