Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

七兵衛は慶長小判を、そっとかたわらへ置いて、改めて元禄小判といった一枚を手にしましたから、お絹もそれを上置きに直して比べて見ている。七兵衛は得意らしく、

「元禄になって、これをお吹替えになったのは、つまり、お上がお金の質を悪くして、そのかすりをお取りになろうという腹でした仕事なんですから、ごらんなさい……見たところでもわかりますが、品格がグッと落ち、光沢が落ち、この通り裂け目が出来ています。通用の途中で裂けたり、折れたり……慶長小判には摺りきれてなくなるまで、そういうことはございません。ところで、悪くなりだすと際限がないもので、この元禄小判より、もう少し下等なのが出来てしまいました。ごらんなさい、これですよ。これを乾字金といいましてね、金の量を思いきり少なくして、銀と銅とをしこたまブチ込んだものですから、見てさえこの通り、情けない小判が出来上っちまいました」

といって七兵衛は、また別の一枚の小判を取って、前と同じように、高いところから土器を投げるような手つきで、お絹の脇息の下まで送りますと、それを拾い上げて、やはり花札を持つように、三枚持ち並べたお絹。