Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme
「だんだん札が落ちてくるのね」
「お金というやつは、悪いやつが出て来ると、いいのが追ッ払われてしまうんですから、無理が通らば道理引っ込むといったようなわけです、時代が悪くなると、いい人間と、いい金銀が隠れて、碌でもなしが蔓ります」
七兵衛は得意になって、正徳、享保の改鋳金を初め、豆板、南鐐、一分、二朱、判金等のあらゆる種類を取並べた上に、それぞれ偽金までも取揃えて、お絹を煙に巻いた上に、
「なんと、お絹様――金というものは腐るほどあっても、使わなけりゃなんにもなりません」
「それはそうですとも」
「そこでひとつお絹様、あなたのために、家を建てて差上げようと思います」
「結構ですね」
「家を建てるには、まず地所から求めてかからなければなりません。いかがです、恰好なところがありますか。ありませんければ、さし当りこの隣りの地面を買い潰すことに致しまして、左様、ともかく、六百坪、二反歩はなければ、庭も相当には取れません。それを一坪一両ならしと見て六百両……」
七兵衛は、百両包と覚しいのを六つ、お絹の方へ向けて形よく並べました。
「そこで普請にかかりますが……それが坪三十両に見積って、建坪三十坪、まあザッと千両ですか」