Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme
「ははあ、天の与うるもの……」
主膳は、うんざりして、もう入木道をサラサラとやる元気もないらしい。
「つまり、わたしたちに使わせたいと思って、七兵衛の奴が、ああしてもち運んで来たものでしょう、それを使ってやらなければ、あなた、冥利に尽きるじゃありませんか」
「だから、お前の知恵で、いくらでも引出して、お使いなさい」
「けれども、相手が悪いから、わたしの知恵ばかりでは、どうにもなりません」
「お前の知恵でやれないことは、拙者にもやれようはずがない」
「三人寄れば文殊の知恵とありますから、何とか知恵をお貸し下さいまし、ほんとにひとごとではありますまい」
「いけない、隠すやつなら何とか方法もあろうが、持ち出して見せるやつが取れるものか」
「いいえ、取れます、その道を以てすれば……」
「その道とは?」
「その道が御相談じゃありませんか。まあ、ともかくも、見るだけごらん下さいまし、現在、眼の前にある宝の山をごらんになれば、また別な知恵が出ない限りもありますまい」
「では、まあ、ともかく見に行こう」
神尾主膳は、とうとうお絹に引きたてられて、七兵衛の籠っていた座敷へ、廊下伝いに出て行きました。