Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

頼母しいところというのは、世間並みにいえば、あんまり頼母しくないところだが、七兵衛は神尾の急を救うために、無条件で鎧櫃の中を融通する約束。今は、先夜お絹にしたような見せつけぶりでもなく、勿体もつけず、サラリと投げ出したのは、神尾にとっても、お絹にとっても、頼母しいことこの上なし。

ところで一つ、七兵衛の方からも、交換条件が神尾に向って提出される。これはお絹の身体を抵当に、なんぞという嫌味なものではなく、七兵衛は七兵衛としての一つの大望がありました。

その翌日、七兵衛は神尾主膳に向って、自分は盗人だということを、大胆に打明けてしまいました。

主膳も、それを聞いて存外驚かず、大方そんなことだろうという面付。

盗人ではあるが、自分は質の悪い盗人ではないと言いだすと、主膳が、世間に質の良い盗人というものがあるのか、と変な面をしました。

ありますとも……盗人の社会へ入って見れば、質のいいのも悪いのも、気取ったのも気取らないのも、渋味なのも華美なのも、大きいのも小さいのも、千差万別の種類があるうち、自分は質の良い方の盗人だというと、神尾が笑って、自分で質が良いというのだから、間違いはなかろうと冷かす。