Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme
それまではまず山門の隅なりと借りて一休み――
「江戸へ五十七里四町
日光へ六十里半
越後新潟へ四十八里二十七町」
と大きな道標を横に睨まえ、もうこれ、ともかく五十七里も来たかなと呟きながら、善光寺の境内へはいって行く。
本来、上方を目的とする旅だから、追分から和田峠を越して下諏訪へ出るのが順序なのを、そこがまた道庵の気性で、信濃へ来て善光寺へ参詣をしないのは、仏を作って魂を入れぬものだと意地を張ったばっかりで、こんな寒い思いもする。
十八
それでも、どうかこうか、二人は善光寺本堂の外陣のお通夜の間に入り込んで、数多の群衆の中へ割込みました。
ほどなく朝参りの団体も押しかけて来る。善光寺の内外は人で満たされる。
道庵は、お通夜と朝参りの群衆の中へ坐り込んで、人の温気でいい心持になり、前後も知らず居眠りの熟睡をはじめる。
これによって見ると、道庵は善光寺へ参拝に来たのだか、居眠りに来たのだかわからない。米友はまた群衆の中に坐り込んでは、しきりに抹香の煙に巻かれている。
なんてまあ、人の混むお寺だろう。今日は特別に御縁日ででもあるのか知ら。いったい善光寺様、善光寺様と崇めて、こんな山奥へ諸国の人が集まるのがわからない。