Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme
天下の政治を人気商売として優倡の徒に委するに似たり、と勤王系の志士が冷罵したのを兵馬は覚えている。
それは天下国家のこと。兵馬の現在は、当分、この地を拠点にとって敵の行方を探すのだが、差当っては今に始めぬ滞在の費用問題。不思議なのは仏頂寺と、丸山。金銭の余裕があるべくもない者の身で、ちょいちょい耽溺を試みたり、兵馬の旅費までも綺麗に立替えたりしてくれる。これらの輩はあいみたがい、好意を表したとて有難がらず、受けたとて罰も当らない人間と思うから、そのままにしていたが、いつまでそのままにしてもおられまい。
その辺を思案しながら兵馬は、床の間から刀と脇差を取寄せて拭いをかけて眺め入る。兵馬の刀は国助、脇差には包保の銘がある。これは相生町にいた時分、手に入れたもの。
ここは松本平で名だたる歓楽の地。今日は城下の本町が大賑わいだから、その反動で、幾分しめやかではあるが、かえって底に物有りそうな宵の色。
笛や太鼓の響きも聞えれば、音締も響いて来るし、どうかすると、よいよいと合唱の唄が揚る。それを聞いていると、やはり、塩市の誉れを歌い、謙信の徳を称えるものであるらしいが、歌詞はさっぱりわからない。