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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

人間が追剥に逢ったのではない。琵琶が――琵琶そのものが悪漢に捉まって、首を切られ、腹を裂かれたのだ。琵琶そのものがここで無惨にもあえなき最期を遂げたのだと思いました。

こういう場合、人間の死骸よりも、有るべからざるところにある物の死骸が物凄い。見給え、琵琶の腹から夥しい血潮が流れている――

人間の手に作られて、人間の用をなすもので、人格の備わらぬというは一つもない。

琵琶が殺されている。

しかし、琵琶の殺されたことは、わが身に何のかかわりあることではない……とお銀様は冷然としてそこを歩み去って、左に折れました。韮崎から信濃境へ行く道とわかれて、有野から白根山脈の前面を圧するところ。

釜無川につづく竜王松原の中、一歩、足を踏み入れたと思うと、人の呻く声を聞きました。

そこで、お銀様は再びギョッとして振返ったのはさいぜんの琵琶で、呻きの声はただいまのその琵琶から起ったのではないか?

それならば脈がある……あれほど無惨に殺された琵琶に、まだ一縷の生命が残っていたか……地上に残された琵琶の形が助けを呼んでいる。

お銀様は怖ろしいと思いました。

しかし、琵琶がよし助けを求めたとてそれが何だ。