Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

それも狂い方が、あんまり烈しいので、がんりきほどのものが、すっかり面食ってしまったのは無理もありますまい。そこでやむなく、

「御勉強のところを相済みません……」

テレ隠しに、こんなことをいい、煙草盆をお先に立てて、程よいところへちょこなんと坐り込むと、白雲が、

「君は誰だい」

「え……わっしどもは、親類の者で、つまり、この家の主人の兄貴といったようなものなんでございます、どうぞ、お見知り置かれ下さいまして」

これだけでも、ききようによれば、かなり凄味が利くはずになっているのを、白雲は真に受けて、

「ははあ、君が、ここの女主人の兄さんかね。妹さんには拙者も計らずお世話になっちまいましてね」

「どう致しまして、あの通りの我儘者でげすから、おかまい申すこともなにもできやしません、まあ一服おつけなさいまし」

がんりきの野郎が如才なく、携えて来たお角の朱羅宇の長煙管を取って、一服つけて、それを勿体らしく白雲の前へ薦めてみたものです。

「これは恐縮」

といって、白雲は辞退もせずに、その朱羅宇の長煙管でスパスパとやり出したものですから、がんりきの百蔵も、いよいよこの男は色男ではないと断定をしてしまいました。