Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.962 Zeichen · 145 Bildschirme

Aozora Bunko

と言われた時に憤然として、もう許せない、という色が現われました。

四十九

はじめは神妙に聴き、中頃少し調子が変だなと思いながら、お愛嬌に聞き流していたが、ようやく進むに従って、義理にも、我慢にも、許せない気色を、ここの聴衆が現わしたのは無理もないことです。

おや、酔ってらっしゃるんだな――と思って見たが、酔っているにしても、容易ならぬ暴言である。名古屋に人間無きかの如くコキ下ろすのはいいとしても、ここの城主、御三家の一なる御代々をとらえて、噛んで吐き出すようなる悪態が口をついて来たものだから、老巧なのが咳払いをしたぐらいでは追附かず、

「こいつは途方もない」

「馬鹿!」

「気狂いだっせ――」

場内ようやく騒然として、掴みかかる勢いを為したものが現われ出したのは、それはまさに、そうあるべきことで、温厚なる医者と、学生を中心とした席であればこそ、ここまでこらえて来たようなものです。

道庵の暴言は、まことに容易のならぬものであるが、一方から言えば、司会者の責任でもあるのです。司会者は事重大と見て、あわてて道庵を演壇から引き下ろしにかかりました。