Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.962 Zeichen · 145 Bildschirme
そのほか、この土地の先生に就いて学問もやれば、習字もやったが、なんにしても飛騨の山の中では本当の修行はできやせん、まもなく江戸へ上って、鍛えたから、まあ当今あれだけになったものさ。ははあ、そんなに強いかね。天性力はあったね。鬼鉄、なるほど、そうかも知れぬ。だが、感心に若い時分から信心家でな、八つぐらいの歳から観音様を信仰していたものだとさ。面白い話が一つある、叔父さんかなんかのために鎧をこしらえていたが、その出来が遅いと言って怒られた、その晩、先生素裸で、黒の桔梗笠をかぶって、お盆の上へ蕎麦を一杯恭しく盛り上げ、そいつを目八分に捧げて、その叔父さんかなにかのところへ出かけて、まじめくさって、門口に突立っていたものだから、みんなギャッと言って肝をつぶしたことがある。素裸で、お蕎麦一杯を恭しく捧げて、まじめくさって突立った形は絵になるじゃないか、白蔵主のお使といったような形だね。そんな人を食ったところもあったそうだ。六百石の小野家から、百五十石の山岡へ押しかけ聟に行ったところも面白いな。君も知ってるだろう、山岡は静山といって、日本一の槍の名人さ――とにかく飛騨の高山は、昔、悪源太義平、加藤光正、上総介忠輝といったような毛色の変った大物が出ているよ。