Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.962 Zeichen · 145 Bildschirme
平家の公達は命がけでございました、ほかの世界には生きられないから、この白川郷へ来たものでござんすよ」
「それはわかっててよ、わたしたちだって、同じ心持ですわ、どこへ行っても安心して住めるところがないから、一生をその白川郷へ埋めてしまいたい、という真剣な心持がお爺さんにはわからないの?」
「ははあ、お若いに、どうして、そうまで突きつめておいでですね」
「何でもいいから、わたしたちは、誰もさまたげることのない世界へ住みたいのです、ほかに希望もなにもありゃしません。白骨谷だって、人が来てあぶなくってなりませんもの。どうしても白川郷へ行きますよ、単にあこがれや、物好きの沙汰ではありません。お爺さん、後生ですから白川郷へ行く道を教えて下さいな」
四
「それは教えて上げない限りもございませんが、白川郷へ行く道は、並大抵の道ではありませんよ、まあ、あの白山をごらんなさい」
「はい」
「富士の雪は消える時がありましても、白山の雪は消えることがございません、あの高い峻しいところを、ずっとなぞいに左の方をごらんなさい、滝が見えましょう」
「え、え」
お雪ちゃんは瞳をこらして、老人の指さすところを見ると、なるほど、山の腰のあたり、山巒重畳するところに、一条の滝がかかってあるのを明らかに認めます。