Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.962 Zeichen · 145 Bildschirme
おぞましいこと、疲れがさせたために、こんなに寝込んでしまった。どっちを、どうしたら、いいだろう。親方に断わるのが本当か、これから先生のところへ馳せつけるのが筋道か。
ともかくも、うっかりこのままじゃいられねえ、全くこうしちゃあいられねえ身の上なんだ、さあ、出かけよう。
身の廻り、といっても、杖と笠と、ふり分けの小荷物一対。
忙がわしく身づくろいしてみた米友には、今の時刻が、夜には相違ないが、夜の何時であるか見当がつきません。見当がつかなくとも、いつもの米友ならば、思い立ったその時を猶予すべくもありませんが、ここは事情の違うことを考えずにはおられません。
真夜中に飛び出すということは、宿屋へ対しても考えてやらねばならないし、第一、ここを立つには、当然、女軽業の親方お角さんに挨拶をして立たなければならないことになっているのです。もし、間違っても、あの親方に挨拶なしにでも飛び出そうものなら、今後のことが思いやられる。
宇治山田の米友ほどのものが、タカが一匹の女興行師を、それほど怖れる弱味がどこにあるか。
行かんとすれば行き、止まらんとすれば止まる自由行動を、未だ曾て何人のために掣肘されるほどの負目を持っていない米友が、なぜか、このお角さんばっかりを怖れます。