Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.467 Zeichen · 168 Bildschirme
内実のところは、わたしゃ、てっきり兄さんと睨んでいたのよ。というのは、お代官様のあの一件ね、あんなすさまじいことをやる人は……もしやわたしの兄さんじゃないかしらと、もっぱらこう疑っていたんですけれど、堪忍して下さい、わたしの的が外れました、うちの兄さんは、決してそんな悪党ではありませんでした」
「何を言ってるんだい――おれがお前、お代官の首をちょんぎったり、それをお前、中橋の真中で曝しにかけたり、そんなだいそれた芸当のできる兄さんと思っていたのかい」
「でも、ほかに、あれほどの事をやりきる人は、まずこの高山にはありませんからね、それで、もしやと兄さんを疑ってみたんですが、その疑いがようやく晴れたから御安心なさいと、そう言ってあげているんですよ」
「自分勝手に、ありもしねえ疑いをかけておきながら、疑いが晴れたから安心させて遣わすなんぞは、あんまり有難くねえ」
「ですけれども、すっかり疑いが晴れてしまったわけじゃないのよ、まだ充分に疑いの解けない点もありますのよ」
「疑いの解けない点と来たね、その点を、ちょっとつまんで見せてもらいてえ」
「お代官様をあんなことにしたのは、お前さんの仕業じゃないにしても、お蘭さんを連れ出したのは、どうも臭いよ……そればっかりはまだ疑いが解けないねえ」