Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.467 Zeichen · 168 Bildschirme
「まだるい話だな――じゃ、お蘭さんの奴、色男に手引をして、お主を討たせた上に、手に手をとって、今頃は泊り泊りの宿で、誰はばからずうじゃついているという寸法なんだな――畜生!」
「ほんとに憎いわね、その色男より、お蘭さんという人がいっそう憎いわね」
「お蘭……悪い奴だなあ」
「お前さんなんて、傍へ置こうものなら忽ちちょっかいを出すだろう、出すんならまだいいが、出されちまいまさあね」
「ふん、たんとはいけねえが、一度はお近づきになっておいても悪くなかった奴さ」
「その口をつねるよ」
「だがねえ……そこんとこにも、ちっと腑に落ちねえ節があるんだ、お蘭様というお部屋様の素姓のほどは、おいらも聞いていねえじゃねえが、このいろという奴がどうも怪しいものだぜ」
「そりゃ怪しいにもなんにも」
「怪しいといったってお前――お前はかねて、この怪しい奴とお蘭さんと出来ていて、二人がしめし合わせてやった仕事のように言うが、おいらにゃ、そうは思えねえ」
「どうして」
「どうしてったって……お前、その証拠をひとつ見せてやろうか」
と言って、がんりきの百は、後生大事に船の中からここまで抱えこんで来た小箱の包みを今更のように持ち出し、福松の鼻先に突きつけて早くも結び目を解きにかかりました。