Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.467 Zeichen · 168 Bildschirme
それに違いない、そのことは常々自分も聞いていたのだ。聞いているのみではない、各地から、いろいろの絹と絹織物をマネージャが取寄せて、自分も手伝ってその整理に当ったことがある。その時に、もっと自分に語学が分りさえすれば、この絹の質はどうで、産地はどうで、織りはどうだということを、事細かに説明してやれるのだが、言葉の不自由から、その方面の知識は多分に持ちながら、如何ともすることのできなかったのを、もどかしがったことがある。
順序を追うてそれを思い返しているうちに、発止とこの少年の頭に閃いたのは、そうだ、この絹だ、この絹をまとめて、外国へ売ってやることはできないか。
いま、日本に来ている外国人なぞは、本国はおろか、たいてい世界の各地を渡り歩いて来ている人たちだ、それが特別に日本の絹を珍重がるからには、日本の絹には、たしかに世界の何国のものも及ばない特質がある証拠に相違ない、そうだとすれば――そうして日本の国では、絹なんぞは、そんなに珍しくないのみならず、こしらえればいくらでも出来る。桑を植えて、蚕を飼いさえすれば無限に生産のできる品なのだ。現に自分の故郷の甲州なんぞでも、山畑の隅々までも手飼いの蚕のために桑を植えてある。