Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.467 Zeichen · 168 Bildschirme
まいか、奥州仙台へ来れば、誰でも拝見のできるところを拝見して、誰も感心するところだけの感心をしていたのでは、七兵衛が七兵衛にならないではないか。
ここで七兵衛の間違った野心と、自覚とが、ムラムラと頭を持上げて来たのは、持った病とは言いながら、不幸なことでありました。
なあに――江戸のお城の、御本丸の紅葉山までも拝んで来たこの七兵衛だ、奥州仙台であろうが、陸奥守であろうが、枉げて拝見の許されねえという掟はあるめえ。
狂言で見た先代萩――そうだ、そうだ、あの、きらびやかな御殿や、床下がこの御城内にあるのだっけ。仁木弾正は鼠を使って忍びの術で入り込んだが、七兵衛は七兵衛冥利だ、こいつは一番、このお城の中の隅から隅――六十八万石の殿様のお居間から、諸士方の宿直部屋、飯炊場も、床下も、書割で見るんじゃねえ、正のものを、正でひとつ、後学のために見ておいて帰るのも話の種だ。
七兵衛は、これを考え出すと、今まで青葉城をながめていた眼の色が変ってきました。そうして、今まで退屈し切っていた心の緒が、急に張りきったのを感じたようです。
駒井の殿様のお船が着くまでの睡気ざましだ、なにも物が欲しい惜しいというわけのものではない、七兵衛は七兵衛冥利に、誰にも見られねえところの、六十八万石のお城の内部の模様を、一通り拝見すればいいの