Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.467 Zeichen · 168 Bildschirme
旅人に忘れられない印象を与えるところのものになっておりました。
寝物語の里というのは、一筋の小溝を隔てて、隣り合った一軒は近江に属し、一軒は美濃に属して、国籍を異にした二軒の家の者が、寝ながら物語りができたという風流の呼び名とはなっている。試みにその由来を両国屋という宿屋で尋ねてみると、次のような一枚の絵入りの刷物をくれる。
「一、此所を寝物語と申すは、江濃軒相隣り、壁を隔てて互に物語をすれば、其詞相通じ問答自由なるゆゑなり。むかし源義経卿、東へくだりたまひしとき、江田源蔵広成といひし人、御後をしたひ奥へ下らんとして、此所に一宿し、此屋の主と夜もすがら物語りせしうち、はからず其姓名をなのる。隣国の家に泊り合はせし人これを聞き、さては江田源蔵殿なるか、我こそ義経卿の御情を受けし静と申すもの也、君の御後をしたひ、是まで来りしが、附添ひし侍は道にて敵の為にうたれぬ、我も覚悟を極め懐剣に手をかけしが、いやいや何とぞして命のうちに、今一度君にまみえ奉らんと、虎口の難をのがれ、漸くこれまで来りしなり、おもひもよらず隣家にて其方のねものがたりを聞くうれしさ、これ偏へに仏神のお引合せならん、此うへは我をも伴ひ給はれとありければ、源蔵聞て、さては静御前にてましますか、此程のおんものおもひ、おしはかり御いたはし、此上は御心安かれ