Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.467 Zeichen · 168 Bildschirme

Aozora Bunko

形勢が変化しないとも限らず、いずれにしても米友のためには百の不利あって、一の同情が作り出されないというだけのものです。

そういう事情から、米友の戦いにくいことがいよいよ夥しく、第一、自分自身の正義観からしてが、軽井沢の時のようには働きがないから、投げつけてみたところで、大地にメリ込むほどやっつける気力が減退し、相手に怪我をさせてまでその戦闘力を封じる手段にも出で難く、そこで米友としては、その力の十分の一も発揮できないでいる始末です――

こんな形勢が続けば、いよいよ以て米友の立場が悪化するばかりです。米友としては、ほとんど進退に窮する場合にまで立至って、徒らに組んずほぐれつしていましたが、相手はいよいよ嵩にかかって、小力を十二分に発揮して相撲の手を濫用して来るから、米友が怒りました。別の意味で怒りました。

こうなった上は、こっちを本当にやっつけておいてからでないと動きがとれない――

みるみる米友の眼に、すさまじい真剣の気合が満ち、

「やい――わからずや!」

音公をなげつけておいて杖槍を取り上げたものだから、音公が、

「盗人たけだけしいとは、本当に手前のことだ、うむ、どうするか」