Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.467 Zeichen · 168 Bildschirme
「どんなものですかね」
「あの、イヤなおばさんだって、家に財産があったからああなったのです。その後の騒動が、この高山の町を焼き払ってしまうまでになったのも、元はといえばみんな慾じゃありませんか。親が子を可愛がるのも慾、友達が助け合うというのも慾、みんな真実の皮をかぶった慾で、世の中に本当の思案だとか、親切だとかいうものは無いものじゃないかしらと、わたしはつくづくこのごろ、それを考えますよ」
「さあ、どんなものでしょうか」
「慾を離れて人間というものは無いのです。それを考えると、わたしはたまらないほど情けなくなりました、すべて人間は、物が無いほどしあわせなことはないのじゃないかしら、と考えるようになりました」
「なるほど」
「ですから、人間は、自分のものとしては何も持たないで、その日その日に食べるだけのことをして、それからできるだけ自分の好きなことをして、それでいけなくなったら、楽に自分の手で自分を死なしてしまうのが、いちばん賢い生き方じゃないかと思ってみたりすることなんぞもありますのよ。自分ひとりで死ねなければ、自分のいちばん好きな相手と一緒に死を選ぶのが、いちばん賢い生き方ではないか、生きているということは、そんなに幸福なことでも、価値のあることでもない、と思ったりすることもありますのよ……」