Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
自信をもって、
「包と言い、箱と言い、凝りに凝った渋いもんだよ」
「その紐をわたしが解きましょう」
「落着いてやりな」
「あけて口惜しき、ということになるんじゃないかね」
「そんなことがあるものか」
「さあ、あけますよ」
「よし」
百蔵は、行燈を引きずって来て、この玉手箱の傍近いところへ持寄せ、勿体らしく、息をはずませて蓋を払って見ると、
「どうだ、どうだ」
「真黒いものがあるよ」
「瑁じゃないか」
「何でしょうね」
お蘭どのが引出して見ると古い瓦です。横から見ても縦から見ても古い瓦です――念のため、その次のを取り出して、ためつすがめつ、四つの目で見たけれども、古い瓦のほかの何物でもないらしい。その古い瓦もほとんど、完全というのは一つもなく、片々になったのや、継ぎ合わせてみるとどうやら一つの円い輪郭を成すようなものばっかり、ついに瓦々で玉手箱の底を払ってしまうと、お蘭どのが白っちゃけて、
「何だ、お前さん、こりゃ瓦じゃないか」
「そうだなあ――瓦だなあ」
「瓦だなあ、はよかったねえ、高山でドジを踏んで、みずてんに出し抜かれ、その腹癒をわたしのところへ持っておいでなすったのかえ」