Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
今日は、好きな字を書いてみる気もなく、例の筆のすさみの思い出日記の筆をとるのもものういと見えて、起きて面を洗ったばかりで、朝餉の膳にも向おうとしないで、こうしてぼんやりと、うつらうつらして机にもたれているところです。
ぼんやりと、うつらうつらして、やや長いこと気抜けの体でありましたが、そのうちに、さっと二日酔いの面に、興奮の色がちらついたかと見ると、三つの眼が、くるくるっと炎のように舞い出してきました。
神尾主膳には三つの眼があること――これは申すまでもなく、染井の化物屋敷にいた時分に、弁信法師のために授けられた刻印なのです。額の真中を、井戸のはね釣瓶で牡丹餅大にばっくりと食って取られたそのあとが、相当に癒着しているとはいえ、塗り隠すことも、埋め込むこともできない――親の産み成した両眼のほかに、縦に一つの眼が出来ている。
これが出来て以来、人目にこの面をさらすことができない。いや、それ以前から人前では廃った面になって、これで内外共に、人外の極めつきにされてしまった。
この面を人に会わすことは避けているが、子供は正直だから言う、
「三ツ目錐の殿様」