Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
百三十七
弁信の人が住んでいないと言ったのも、米友の人が住んでいると証明したのも、どちらも誤りではありませんでした。
その草の庵には、過去に於て、人の住んでいた痕跡は充分ですが、現在に於て、人の住んでいないという証拠もたしかです。
米友は遠慮なく、中へ入って調べてみると、米塩があり、炊爨具があり、経机があり、経巻があり、木魚があり、鉦がある。たしかにここで、或る期間、行いすましていた修行者があったのだ。
「南無妙法蓮華経と書いてあらあ」
机の上の経巻を取り上げた米友はこう言って、また投げるように机の上へさし置いた時に、縁に腰かけて休んでいた弁信は、何と思ったか、頭高に負いなしていた琵琶を、えっちらおっちらと背中から取卸してかたえに置くと共に、自分は腰かけたままで、つくづくとものを考えさせられているもののように、首低れてしまいました。
その間に米友は、いっさんに後ろの高い巌角の上にはせ登って、そこに突立って、琵琶の湖水の展望をほしいままにしました。
「素敵だなあ! 豪勢だなあ!」
と、方向を物色することは忘れて、風景の大観に見惚れてしまったようです。