Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

「おれは断然、この船長は好きになれない!」

柳田の頭へ来た印象はこれです。同時に、

「田山白雲氏に対しては、一見、先生と言って尊敬するに堪えるが、この若い毛唐まがいの船長なるものは、おれの口から進んで追従をいう気にはなれない」

こういったような空気が湧き出して来たのを、お松が早くも見てとりました。

百四十六

そんなような初対面の空気のままで、柳田平治は船長室を引下りました。

それから船中を往来するごとに、柳田の不快はことごとに増すばかりでした。不快といっても、特に理由があるわけではない、誰もこの男を特に冷遇したり、嘲笑したりする人なんぞは一人もあるのではないが、平治が船の中を歩くと、行き逢うほどの人が、その長い刀を見て変な目つきをする。それが八分の冷笑を含んでいるかのように、平治には受取れてならない。

単にこの長い刀を眼の敵にするのみではない、自分の歩きっぷりがギスギスしているといって、あとで指差して笑っているような気持がする。それにこの中の水夫共までが、みんなダンブクロを穿いているのも癪だ。船そのものの洋式はまあやむを得ないとしても、船長をはじめ、衣裳風采まで日本人のくせに、毛唐化せねばならぬ理窟があるか。