Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

「田山先生、あんまり手荒いことはしないで頂戴ね」

「うむ、萌さん――君もいったい心がけがよくない」

と白雲は、押隔たる娘の面を浅ましげにながめて、たしなめると、

「マドロスさん、そんなに悪い人じゃありません、手荒いことしないでね」

「君を掠奪して、こんなところへ連れ込んだ不埒千万な奴じゃないか」

「いいえ、マドロスさんばかりが悪いんじゃないのよ」

「無論、君にも責任があるよ、何というだらしないこった、歯痒くってたまらない」

その時、号泣していたマドロスが、急に哀願の体で、

「田山先生、ワタクシ、悪イトコロアヤマルデス、縄、解イテ下サイ」

それを耳にも入れず田山白雲は、柳田平治をさし招いて言いました、

「柳田君――ではこれからを君に引渡すから頼みますよ」

「承知しました」

「マドロス」

と、白雲が改めてマドロスを呼びかけると、

「ハイ」

神妙な返答です。

「貴様を、これからこの人に託して、月ノ浦の駒井氏の元船まで送り届けるのだ、じたばたしないでおとなしく引かれて行けよ」

「御免、御免」

マドロスは、また哀号の声を高くして、

「御免、船ヘ戻ルコト、オ許シ下サイ、船ヘ戻レバ殺サレルデス」