Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
「そうだ、そうだ、それがセンブリだよ、花の咲いた時分に採って乾かして置くと胃の薬になる。これはマンドウ草といって、やはり葉は花時に採って喘息の薬にする。こちらのは薄荷だ。こいつはそれ、何とかいったな、二年目に出来た茎立葉を花時の初期にとって乾燥して置くと、心臓病によく利くあれだよ。それは睡菜葉といって、苦くて胃の薬になる。すべて苦いやつはみんな胃の薬というわけではないが、胃の薬はたいてい苦いと心得ていなさるがよい、それ、良薬は口に苦し……」
目籠の中の植物の一つ一つに就いて、道庵が説明をはじめたところを見ると、どうも摘草にしては時候が変だと思われた疑いも解け、お雪ちゃんが、右の略装で、そこらあたりの薬草を採取しているのだということもよくわかります。
薬草の吟味ならば、道庵がお手のものでなければならないから、お雪ちゃんの提出する一茎一草について、流るるが如く立派に答えつ教えつしてのけることも不思議ではない。道庵も多年この道で飯を食い、天下のお膝元で十八文の道庵先生といえば、飛ぶ鳥を落したり、落さなかったりしているのですから、医学と密接の関係がある本草の学問に於ても、そう出放題や、附焼刃ばかりで通るものではありますまい。