Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
わざと次の間に持ち出してみたり、今まで心置なく物をたずねたり教えを受けたりすることも、この頃からなるべく口を利かぬように、物を言わぬように、できるならば、ひとりだけ離れて船の中にいたいというような気分に迫られて来たのが、自分でもわかりません。
駒井もまた、気のせいか、態度に変りはないとは言いながら、お松に向ってする口の利き方が鈍くなって、少なくなったように思われます。お松は、この心の間の裂け目を悲しいと思いましたけれども、その悲しさのうちに、何か甘いものが、重い心の躍動というものがあるのを感ぜずにはいられません。
それから幾日の間、こんなようにして、二人は、外見は少しも変らずに、助けつ助けられつして過しましたが、その間にも、先日のような突っこんだ話は少しも出ませんでした。
駒井は冷静な科学者の立場で研究をつづけている、その変らぬ面の、すずしい中のきびしさを見ると、あの時の、あの言葉が、通り魔のように、何ものかのいたずらがさせたことではないかと感ずるばかりです。
それから一週間ばかり経って後のある日、開墾の方が予定よりもずっと速やかに進んだことのお祝いを兼ねて、慰労の催しをすることがありました。