Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
「そんなことがあるものですか」
信仰者が、逆らわずに補綴を加えようとするのを、懐疑者は立ちどころにハネ飛ばして、
「そんなばかなことがあるものですか、わからないで何の信心ができますか、物の道理がわかって、はじめて信心をする気になるのでしょう、わからないものを信ぜよと言って、信ずることができますか」
「いいえ、お嬢様、そこのところが……そこのところが、その何なんです……」
何か相当の拠りどころはあるらしいが、口に上せてはっきりと補うことができない、そこに信仰者の悶えがありました。ハネ飛ばされてもしょげもしないし、反撥もしないところに、信仰に於ける相当の自信があることはあると受取れるのですが、さて、立ちどころにその反撥に応酬して、相手を取って押えるだけの論鋒が見出せない、その悶えをかえって懐疑者が補ってやるという逆三位。
「いいんですよ、親方のは親方のでいいんですよ、お前さんは信心者なんだから、それでいいのよ、鰯の頭も信心から、って言うでしょう、それは軽蔑して言うんじゃありませんよ、鰯の頭をでさえ信じきれる人が結局エライんです、鰯の頭をでさえ信じ得られる人が、人間を信じなくてどうするものですか、人間を信じ得られる人は、神をも、仏をも、信じ得られる人なんです、それは幸福です、偉大でさえあるんです、ところが、わたしと