Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
その風来人というのは、五十がらみ、小肥りに太った、笠をかぶって、もんぺを穿いた旅の者らしい一人の男であります。
「わしは、武州刎村というところの百姓弥之助と申しますが、諸国廻歴の途中、はからずもこのところへ立寄りまして、只今のお話を聞かせていただき、まことに結構に存じて、いたく共鳴を仕りました。わしが諸国廻歴の目的も、只今の、お若衆さんと御出家さんのおっしゃったと同じ趣意の下に出発いたしたんでござりますが、なにぶん、徳が足りないものでござんすから、せっかくの志が通らず、わしが本心が通らぬのみか、到るところでばかにされて、どうもなりませぬ。ところで、只今のお話を伺ってみますと、世間にはまだ同じ志の者がある、捨てたものではない、と頼もしさ限りがございません。まあお笑い下さい、わしどもはこういう帳面を拵えて諸国廻歴を致しております」
と言って、腰にブラ下げていた一冊の部厚の帳簿を解いて、慢心和尚と与八の前へ差出しましたから、
「それはそれは、御奇特なことで」
と答えながら慢心和尚が、その帳面を手に取って見ますと、
「百姓大腹帳」
と書いてあります。二つ折長綴の部厚の帳面で、俗に「大福帳」