Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
型の帳面でありましたが、大福帳をここには「大腹帳」と書いたところに趣意がありそうなのです。果して武州刎村の百姓弥之助と名乗る男は、その「大腹」の字面を指してから次のように語りました。
「只今もおっしゃる通り、近ごろは戦争や饑饉の心配から、ドコへ行っても食を控えろ、食物を食べ過ぎるな、節食をしろ、節米をしろと、専らこのように申し触らされておりますが、わしはそれと違いまして、百姓は物をうんと食え、そうして腹を充分にこしらえろ、非常の災難が来る時こそ、腹をこしらえて、度胸を据えなければならない、腹が減っては戦ができない道理、ですから、ウンと食べて、ウンと働きなさいと、こういう勧化のために、この通り百姓大腹帳というのをこしらえて、宣伝を致して歩くのでございますが、相手にされないで困っているんでございます。つまりが、わしが百姓だから、ばかにする者が多いというわけなんでしてね。わしが、こんなぶっきらぼうの百姓でなく、黄門様のお微行であるとか、お大名の名代、聖堂の先生とでもいった経歴がありますと、みんな感心して聞くんでございますが、なあに、あいつは百姓だ、百姓が何を言うと、頭から取合ってくれません。