Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
己れの信心の誠意は自ら疑うことはないが、その作法に何ぞ神様仏様のお気に召さないことがあって、それでお聞入れにならないから信心が届かない、こう信じているのだからかえって己れを直くすというわけで、この点では、やはり功利以上に超越した信心者の名を許して、さしつかえがないと言わなければなりません。
二
かくて、この三位一体は、山科から醍醐への道を、小春日をいっぱいに浴びて、悠々閑々と下るのであります。道は勾配になっているわけではないが、さながら満帆の春風を負うて、長江に柔艫をやるような気分の下に、醍醐へ下るのであります。
お角さんは、称して、お嬢様は御信心のために醍醐へいらっしゃるのだと言う。御当人は、それを排して、わたしが醍醐へ行くのは信心のためではありませんと言いきったが、それでは信仰以外の何の目的を以て行くのか、それは言いません。さりとて、今はその時でないから、醍醐までお花見と言ってもそれは成り立ちません。単純に散歩の気分ならば、なにも特に醍醐を指定する理由もなかろうと思われるけれども、それを問いただすことをしないのが、お角さんの気象でもあり、信心者の大らかさでもあり、且つまた、この暴女王をあしらいの勘所でもあると思いますから、お角はあえてそれ以上には押すことなく、また押すべき必要もないと