Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme

Aozora Bunko

がんりきが、こう言ってイヤに含み声を鼻にかけたが、相手は全然取合わない。

「外で何ぞ物を言う奴がいる、追い返せ」

と、奥に向って人に命ずる気色ですから、がんりきがテレもし、狼狽もし、こいつはお歯に合わないと、そのまま、ほうほうの体でその垣根を立ちのいて、次へと移りました。

こうして、広くもあらぬ岩倉村を、がんりきと米友とは、次から次へとおとのうて歩きましたけれども、中納言のお邸というのは、見当りもせず、聞き当てもせず、まして丁々発止のトバの気分などは、この男自慢の鋭敏な鼻を以てしても嗅ぎつけることができず、結局、うろうろして再び舞い戻って来たのは、さいぜんの垣根越し、あの癪にさわる、威光のある親爺から追払われた、その垣根から屋敷の周囲をめぐって見ると、とにかく、村中きってこれだけの構えの家はない。なにも驚くほどの宏でも壮でもないけれども、作りに奥行があって、なにか物々しい屋敷といえば、これほどのものはほかにない。

ということを、がんりきが再吟味をしてみると、はて、ことによると、今のあの色の黒い、頭のでっかい、眼の光るおやじが、あれが中納言かも知れない。