Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.838 Zeichen · 204 Bildschirme
と、舟を待つ人の不平に白雲はそろそろ共鳴したが、なるほど舟は川の下に見えるが、船頭がいない。
「オーイ、船頭どん」
「どしゃむしゃ船頭どん」
盛んに呼びたてているが、船頭が返事もしないのは、あの小屋の中にいないらしい。いないとすれば、ドコぞへすっぽかしたのか、そうでなければ向うの岸へ舟を渡して行って、向うからまた人をその舟へ乗せて渡るという段取りだろう。ははア、向うの岸にも船頭小屋があり、舟があるにはある。舟といえば、この渡しの舟の形はおかしい、舳も艫もない、ひきがえるを踏みつけたようなペッタリした舟だワイ、あちらの岸の舟もそうだ。
いったい、川舟と草鞋は土地土地によって違う。川舟の形というものは、土地のものがその河流の水勢によって経験的に工夫した形が多いから、一定したものだと思うと大きに違う。例えば、富士川の急流には富士川の急流に向くように底までがちゃんと附木ッパのように薄くしてある。利根川の舟でも、上流、中流、下流、皆それぞれ違う。今ここへ来て北上川の舟が、ひきがえるを踏みつけたようなペッタリした舟だと言って、それを笑うのは間違っている。草鞋にしてもそうだ、平地を歩くものは平地を歩くように、山路を歩くものはそのように、走って歩く商売の草鞋と、ずしりずしりと踏みしめて行く人の草鞋とは作り方が違う、形によって