Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
「あの人のお父さんがエラかったのですね、弾正様と言いました。どうして、なかなかの人物で、まあ、あのくらいの人物は、ちょっと出まいといわれたものですが、惜しいことに、病気で身体が利きませんで、寝んでばかりおいでになりました。そのうちに竜之助さんが悪剣になってしまったと、こう言われていますよ。お父さんさえ丈夫ならば、どうして、どうして、竜之助さんは、あんなにはならなかったろうと、誰もそう言わないものはありません」
「ははあ、お父さんという人が、そんなエラ物だったんですか」
「まあ、身体さえおたっしゃなら、日本でも幾人という人になって、後の世に名を残す人だったに相違ないとの評判でございました」
「なるほど」
「そのお父さんに仕込まれたんだから、竜之助さんも子供のうちはようござんした」
「なるほど」
「頭も違っていましたし、剣術はたしかに天性でしたね」
「うむ、うむ」
「もっとも剣術はお父さんという人も、そのお祖父さんも、なかなか出来たので、代々道場を持って、弟子もあり、武者修行の方も、三人や五人遊んでいないことはありませんでした。そのうちには江戸で指折りの先生も、ずいぶんお見えになっていたのですから、本当の修行ができたに違いありません。