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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

政治家は、もとより民衆の友ではあるが、人間の下劣な雷同性におもねるような政治家は、世を毒すること、圧制家よりも甚だしい。蜀山という男は、微禄ながら幕府の禄を食む身分でありながら、一代の名政治家を蚊にたとえるとは言語道断である。あの堕落、阿諛、迎合、無気力を極めた田沼の時代でさえ、

世に逢ふは道楽者におごりものころび芸者に山師運上

となげいた市民には、まだ脈がある……

それから問題が一転して、この席へ、お雪の姿が見えないという不審がみな一致しました。

お雪は誰にも心安く、誰にも愛され、誰の話をも身を入れて聞きたがることにおいて、この一座には欠くべからざる人気を持っておりました。今晩に限って、その人が顔を見せないことだけでも、炉辺を非常な淋しいものにすると見えて、

「お雪さんは、どうしました?」

誰いうとなく、その叫び声が繰返されたけれど、いつまで経っても、その人が姿を見せません。

「お雪さん……?」

「どうしましたか、病気にでもなりゃしませんか?」

「いいえ……病気でもないようですが……」

「今朝から、あの人の姿が見えませんよ」

「いいえ……今朝早く、ねまきのまんまで無名沼の方へ出て行きました」