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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

ことに、人が幾人ふえようとも、先天的に、話相手というものの見出せない不具な少年にとっては、かえってこの台所の城廓が、安住所でもあり、避難所でもあり、事務所でもあり、読書室でもあって、甘んじてここに納まって、職務以外の悠々自適を試みているというわけです。

とはいえ、その職務に対しても金椎は、また大いなる研究心を持っている。研究というのは、自分が食事をつかさどる以上は、なるべくよき材料を、よく食べさせたいという念願、いかにしたらば、よき材料が得られ、それをうまく人に食べさせることができるか、という工夫であります。

金椎はこの範囲で、絶えず料理法の研究を頭に置いている。それはかねてより、自分にも料理の心得があって、外国船に乗込んでいる時分にも、支那料理について、なかなかの手腕を持っていることが船長を喜ばせたり、乗組員に調法がられたりしていて、ある外国人の如きは、金椎の庖丁でなければ匙を取らない、というのもありました。

ここへ来ても、駒井甚三郎のために、金椎が独特の支那料理の腕前を見せて、一方ならず駒井を驚かせたものです。

ことに感心なのは、こういった不便利だらけの生活におりながら、比較的とぼしい材料に不平もいわず、その少ない材料の範囲で、いかにもうまい手際を見せて、駒井の味覚に満足を与える働きに、感心しない