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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

殊に、飢えが室内で行われ、また室内で回復されている間は、ほとんど絶対的といってよいほど安全で、どう間違っても、その室内者の胃の腑を充たす悩みだけの時間であるが、これに反して、飢えが室内から街頭へ出た時はあぶない。

例えば、ありとあらゆる飲食物を、滅茶苦茶に掻きまぜてみたところで、それを悉く食い尽してみたところで、後で多少料理番を狼狽させるだけのことで、取返しのつかない欠陥というものは残らないはずであります。闖入者がいかにこの場で蹂躙をほしいままにしても、それは結局、この金椎の平和なる仮睡をさえ破ることなくして終るのだからツミはない。

果して、いくばくもなく、胃の腑を充分に満足させた闖入者は、げんなりとして、人のよい顔をし、充ち満ちた腹をゆすぶって、四方の隅々までジロリジロリと見廻しました。

ほんとうに人のよい顔です。十九年ツーロンの牢にいた罪人は、こんなおめでたい顔をしてはいなかった。食に充ち満ちた闖入者は、炉にあった鉄瓶を取って、その生ぬるい湯をガブガブと飲む。

そこで、またも念入りに金椎の寝顔を見てニッコリと笑ったが、これとても、好々たる好人物の表情で、この時、「お前、何をしているの、食べてしまったら、サッサと膳をお洗い……ほんとにウスノロだね」