Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
多分、碧い眼で見ても、美しい女は美しく見えるだろうと思う。
ウスノロ氏が、ニヤリニヤリと笑いながら、いよいよ近く寝台に寄って来るのを、軽いいびきを立てている当の主は、いっこうさとろうとはしません。
それに、この時はどういうものか、金椎を驚かさないように、あの室で食事をした以上の慎重さを以て、徐々と近づいて行き、やがて、寝台の欄のところへすれすれになるまで来ても、じっと娘の顔を見たままで、ほとんど手放しで涎を流すような有様で、島田に結った髪がかなり乱れて、着物の襟はよくキチンと合っていたが、鬢の下へ折りまげた二の腕が、ほとんどあらわになって、しかし、幸いなことに、帯から下はズッと毛布が守っているものですから、いわば、半身の油絵を見せられるような女の姿に見とれている。
そのまま突立っていたウスノロ氏が、どうしたのか、急に呼吸がハズんでくると、その眼の色まで変りかけてきました。
碧い眼玉は、別に変りようがあるまいと思われるのに、たしかに眼の色も変り、顔の色も変り、ついにはワナワナとふるえ出したもののようにも見える。
「茂ちゃん、いたずらしちゃいやよ」
その時、女がうわごとのように言いました。