Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
なあに、神品は模造すべからざるものだから、見る人が見れば、問題にはならないが、世間はめくら千人だから、その偽物に欺かれるものが意外に多いです。そういう蠅のような偽物どもを、いちいち取ッつかまえて、町奉行へ訴え出るなんぞは煩わしくてたまらないから、大家連は、知って相手にしないことがあると、そいつらがいい気になって増長するものだから、画界の風儀を非常に乱す。そこで拙者は、三四人の腕ききを集め、自分が先発で、いちいちその偽物どもをブンなぐって廻ったことがありました」
「それは、なかなか痛快ですが、暴力沙汰で、あべこべに告訴を受けるようなことはありませんでしたか」
「ありませんとも。暴力じゃありません、正当防衛ですもの。盗みをする奴をつかまえて聞かなけりゃ、打ち殺したって苦しかありませんよ、いわんやブンなぐるくらいは何でもないことです。五六人ブンなぐったら、それで少しは利き目がありました。なかには腕を折られて、ヒイヒイ泣いた奴もありましたよ。ああいう蠅共を退治するには、腕力に限るです」
美術界の神聖のために、その風儀の維持のために、偽作者に、腕力制裁を加えることの正義なる所以を、白雲は力説しました。