Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
つい今まで、晴れ晴れしていたお雪ちゃんの心が、また暗くなりました。
ぼんやりと、見るともなしにふすまを見つめていた眼から、涙がハラハラとこぼれました。ついに堪えられなくなって、面もこたつのふとんの上に埋めて、なきじゃくってしまいました。
だが、自分ながら、なんでそんなに悲しいのだかわかりません。身に覚えがない、何も知らない、と自分で自分をおさえつけていながら、それがおさえきれないで泣いてしまう心持が、どうしてもわかりません。
そこでお雪ちゃんは、思い入り泣いてしまいましたが、身を入れていたこたつの火が消えてしまっているというのを知ったのは、その後のことでありました。
ああ、火が消えてしまった。それでもお雪ちゃんは少しの間、身動きもしなかったが、やがて立ち上って、炭入と十能を取って、丹前を引っかけたまま、障子をあけて廊下へ出ました。
二
お雪ちゃんが、炭取と十能を持って外へ出たのは、自分の冷めた炬燵へ、新しく火と炭とを追加のためかと思うとそうでもなく、静かに廊下を通って、右へ鍵の手に廻ったいちばん奥の部屋まで来て見ました。
そこへ来ると、上草履が綺麗に一足脱ぎ揃えてあるのを見て、ホッと安心したような思い入れで、外からそっと障子を引き、