Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

と言いました。この娘は自分の炬燵が冷めたのに驚いて、他のことを心配して、ここへまで調べに来て見ると、これは全く火の気が絶えている。

この人は、長い間、こうして火のない炬燵によりかかって、うつらうつらとしているのだ、かわいそうに……

お雪ちゃんは、済まない心持になって、炭取を下に置くと、十能だけを持って、自分の部屋へ取ってかえしました。そうして、自分の炬燵から火種をうつそうとしてみたが、これもあいにく、小指ほどの塊と、蛍ほどのが総計五個もあるぐらいで、とてもこれでは、他の火勢を加える足しにならないとあきらめて、でも、その五個ばかりの火を、丹念に十能の上に置いたまま、その十能を大事に持って、三階の梯子段を下におりてゆきました。土間の炉辺まで行って、烈々たる炭塊を十分に持ち来らんがためであるに違いない。

残された竜之助は、この時、クルリとこたつの方へ向き直って、やぐらの上へ両肱をのせて、てのひらで面をかくして、じっとうなだれてしまいました。

こうしている姿をごらんなさい。心は無心でも、姿そのものが何を語っているか。

ああ、おれはもう、生きることに倦怠した……とうめいているのか。