Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
ますますいけない。引返そうとすればさいぜんのが追いかけて来る。ままよ――横っ飛びに飛んで、侍町の生垣の下を鼠のように走ると、御用の声を聞き伝えた家並が騒ぎ出す。
夜ならば、身をくらます手段はいくらもあるのだが、こうなっては、どうも仕方がない。屋根へも上れず、井戸へも飛び込めない。突当り路地へでも追いつめられて、ギュウの音も立てず、名も無き敵に首を掻かれるようでは、がんりきとしても浮びきれない。
よし、こうなった以上は、二三人はたたき斬っても本街道まで出てしまえ、天下の東海道筋へ出て、そこでつかまるなら、つかまっちまえ、人の垣根の下を、つくばって走るような真似は、この際みっともねえ……
がんりきは、そんなふうに見得を切って、いったん路地奥へ逃げ込んだのを、引っぱずして、いわゆる天下の東海道筋を望んで走り出したが、それはいよいよ油を背負って火に向うようなもので、追いかけるほどの者は、誰でもがんりきの後ろ姿を見ることができるから、総弥次で、それを追っかける形となる。単に追っかけるだけなら覚えがあるが、前からふさがるのではたまるまい。
ちょうど、その時分が、お角が起き上って面洗いに出た時分で、窓の外で御用騒ぎを聞くと、はっと胸をヒヤしたのは、その騒ぎに狼狽したのではなく、御用という声の途端に、