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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

この男が周囲にあるがゆえに、西郷の身辺に近づき難いということは、さもありそうなことです。

そんなようなわけで、七兵衛もいいかげんに見切りをつけて、長追いをしなかったものと見えます。

しかし、前後の行きがかりから、薩摩屋敷なるものの、危険の巣であって、必ずや、そこが火元になって、江戸中を焼き払うの時があるべきことを迷信し、その火つけの総元締が、西郷吉之助であることも充分に想定し、自然、江戸が薩摩を焼かなければ、薩摩が江戸を焼く、といったような結論をつけて、七兵衛なりに、主膳に語り聞かせますと、主膳も相当にうなずいて、

「薩摩と、長州は、本来、江戸には苦手なんだからな。関ヶ原以来の宿怨といったようなものがついて廻るからな。あの時に、長州をして薩摩を討たせ、その後に長州を亡ぼそうという魂胆が、こっちに無かったとはいえないからたまらないさ、しかし、それを程よくここまで立てて来たのは、東照権現の偉大なる政策と、重大なる圧力の結果だよ」

そんなようなことを言っているうちに、

「まあ、御免下さいまし」

七兵衛は、こんな話をしておいて、急に縁から立ち上りました。

そこで主膳の前から消えてしまった七兵衛は、つまり御免下さいましの意味は、単に主膳の前だけの暇だか、これから例の以前の鎧櫃の一間に籠って、悠々、夜の疲れを休めようと