Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
「けれども、それが、あなた様のはね、何か自分が利用をしよう、為めにしよう、という頭が先でお世話をなさるから、親切がそれほど、あれに響きません」
「なぜか、あの子は、わたしになつかない、わたしに楯をつくようなことは一度もないけれど、心からわたしになついてくれない」
「それは、そうかも知れません」
「今、あの子はどこにいます」
「田舎の方へ行っております」
「田舎へ行って、何をしていますか」
「いろいろ、よく働いておりますよ、自分のためにも、人様のためにも……」
「縁づいたというわけでもないのですね」
「エエ、いいところから随分縁談もありましたようですけれど、あの子には、身上を持つ気は少しもないようです、このごろは寺小屋をはじめて、子供たちを教えていますよ」
「まあ、あの子が、手習のお師匠さんになっているの?」
「手習のお師匠さんばかりじゃありません、若い衆、娘たちの相談相手から、夫婦喧嘩の仲裁まで、あの子が世話を焼いておりますよ、感心なものです」
「まあ、そんなでは、とてもこんなところへ帰ってはくれまい」
「ええ、あれはあれで、自分の天職が定まったような心持で、おちついているようです」