Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

弾正の心では、もし普通の人間に生れついていたならば、わが子の竜之助と同じように、教育を与えたことでしょう――しかし、こんなふうに生れて、頭が器用に働かず、好んで労働に当り、力役を苦としないから、あつらえ向きの水車番――

それで、ああして、こうなって、今日に至っているが、お松がそれを知ってみると、どうしても与八のために、生みの親を探してやりたい――という同情に駆られてしまうのも無理はありません。実は、今日もここへ来たのは、それが主なる目的なのであります。ここへ記念のお堂と、石像を立てさせたのも、これが縁になって、何か与八の生みの親をたずねる手がかりにはならないかと思い立ったのも、その一つの理由でありました。

与八が特志の草鞋を、地蔵堂の軒にかけてしまってから、お松は堂内を仔細に見廻しました。見廻したといっても、さして広くもなんともない堂内のことですから、そこには、いつ、誰がするともなく、たくさんの絵馬が納められてあったり、達磨様の古いのや、昨年来の御幣や、神々のお札や、髪の毛の切ったのが髢なりに結えられてあったりするだけのものでしたが、そのなかでただ一つ、異様にお松の眼についたものがあります。