Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
「うむ」
「おたがいに、生みの親を尋ねることはやめてしまいましょうか――」
とお松から言われた与八は、箸を置いたまま、小山のように坐って考え込んでいました。
食事が済んでから与八は、また道場へ戻って、そこで再び藁打ちをはじめようとしました。
暗いものですから、行燈をともして、それから仕事にかかろうと、片隅の方に置いていた行燈に、さぐり足で近寄ろうとして物につまずきました。
なにかしらん。思いがけないところで、物につまずくと、そのハズミでバリバリとその物を踏み裂いてしまった音がしたので、与八も狼狽して手さぐりにして見ると、相応の四角な薄手のものを包んだ風呂敷包です。
はて、こんなものをここへ、自分は置いといたはずはないのだが、何か知らん。どうした間違いか知らん、今の足ざわりと、物音では、自分が、この中のものを踏み砕いてしまったことは確かである。はて、大事なものであってくれなければいいが……
そこで、与八は歩き直して、ようやく行燈に火をつけて、そこで今の踏み砕いたものを見ると、いつも、お松さんが持ってあるく風呂敷には違いない。では、お松さんがここへ置いといたのだ。