Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
う、だから、その馬が物を食う代りに銭を取らあな、いくらか銭を取って、家の暮しの足しになるだろう、だからお前、今ここで血の出るような金を出して馬を買い込んだところで、それが忽ち利に利をうむという勘定になるんだろう、そうがっかりすることはなかろうじゃないか、気を確かに持って、前途に望みをかけなくっちゃいけねえ、いやに悲観しなさんなよ」
と道庵が、慰めはげますような言葉で、親切にいい聞かせたつもりでしょう。しかし、よく聞いていると、この親切な言葉のうちにも、論理の不透明なところが無いとはいえない。第一、相当の年配になれば誰だって貧乏すらあな……という一句の如きは、かなりの独断であるけれど、その男はいちいち頭を下げて、
「御尤もでございます、おっしゃる通り、私は道楽で馬を引きに参ったわけではございません、貧乏暮しのうちに馬一頭が、杖とも、柱とも、でございます。どうしても、馬が無ければ立って行かない一家なんでございますから、それがために……お恥かしい話ですが、娘を売って馬を買いましたんでございます」
道庵は仰山に驚いて、眼を円くして、
「何とお言いなさる、娘を売って馬をお買いなすったって……なるほど、剣を売って犢を買うということもあるにはあるが」