Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
両手を胸に組んで考え込むと、しおれきったその男が、
「ことし十七になる娘を、上松の茶屋へ奉公に出しまして、それで、この福島で馬を買いましたが、奉公とはいえ、十七になる娘に身売りをさせたのでござります、馬は連れて国へ帰れますけれど、娘は連れて戻ることができませんでございます」
そこで、また男がしくしくと泣き出しました。
「なるほど」
道庵も仔細らしく考え込んでいると、男が、
「馬を買わなければ、家がたちゆきませんし、娘を売らなければ、馬が買えないのでございます、その娘だって、あなた、くどいようでございますが、ただの奉公ではございません、勤め奉公でございますから、泊り泊りの客人にいいようにされ、しまいには悪い病気にかかって死ぬか、そうでなくても、年が明けていつ帰れることやらと思いますと、それがかわいそうになりまして、つい、どうも、お耳ざわりになって、相済みませんことでございます」
「なるほど」
道庵も少し真顔に考え込んでいたが、やがて声の調子を一本上げて、
「なるほど、それは人情だ、娘を売って馬を買う、娘を売らなければ馬が買えない、馬を買わなければ一家が養えない、一家を養おうとすれば馬を買わなければならん、馬を買うには娘を売らなければならない、娘を売るのはつまり、娘を殺すというようなわけ合いになるんだから、つまり動物