Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
「十七……」
といって道庵が、杯を下に置いて、じっと僧形の同職の顔を見据えたものですから、僧形の同職がグッと砕けて、
「さあ、もう一つ、いかがでございます」
といって、下に置いた道庵の杯に酒をつぎました。
「十七の小伜……小伜様。出す奴も出す奴だが、出る奴も出る奴だ。しかし、お辞儀をしてしまうには、若いのを出した方がいいかも知れねえ」
道庵は興ざめ顔に、下に置かれた酒を取って飲みますと、僧形の同職が、
「まあ、お聞き下さいまし。そうして尾州家は、十七歳の鈴木千七郎殿を江戸表へ差しつかわし、水野越前守殿の面前に立たせました」
「相手が悪いね、越前守ときた日には、あの通りのやり手であるのみならず、その弁舌ときた日には、徳川三百年でも、ちょっと比較のない男だよ、弁舌がさわやかで、威力があって、男ぶりがよくて、腕が出来ている。水戸の藤田東湖のようなむずかし屋でさえ、水越の弁舌には参っていたよ」
と道庵が言いました。そうすると僧形の同職が、同じような調子で答えて、
「その通りでございます、その通りの威力と、弁舌で、高圧的に、御都合之れ有り、尾州領木曾山林、三カ年間公儀へ借り置く旨の申渡しがありますと、鈴木千七郎殿それに答えて申さるるには、仰せの趣、たしかに承知致しました、しかし、私方にもこの際、一つのお願いの儀がござりまするが、