Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

と言われて道庵がくすぐったい顔をして、自分の頭の即製のハゲかくしを撫でてみました。

「それで今日は、その尾州家の木曾領お見廻りの重役が、この川狩りを検分に参りましたために、川狩りが今日は休みでございます」

僧形の同職がこう言ったものですから、道庵は聞きとがめて、

「川狩りの検分というのは、何ですかね」

「それは、その、木曾のお山から伐り出しました材木を、この木曾川から流し落すのでございます、これがまた他国では見られない見物でございましてな」

「なるほど」

「谷に沿うたところには椹が多くございますが、奥へ行くと檜が多いのでございます、千古斧斤を入れぬ檜林が方何十里というもの続いているところは、恐ろしいほどの壮観でございます。伊勢大神宮の御用林もその中にございます。それを、高さ二十間もある大木を、この辺の樵夫は手斧で伐り倒しますが、その技の鮮やかさは、これも他国の者が舌を巻いておりまする。そうして、それを高いところから、時とすると五千尺も高いところから、その材木を渓へ向ってすべり落させる、それがまた命がけの仕事なんで、材木を渓谷へ落し込んで置きまして、秋の出水を待って、筏に組んで、木曾川の下流へ流すんでございますが、それを川流しとも、または川狩りとも申します」